蓋をしていた「色の魔法」を もう一度世界に放とう

「お任せします」
「色はよくわからないので、適当に」
「そんなに色って大事ですか? 他にも大事なものがたくさんありますよね」

デザインの現場で、私はこの言葉を何百回、何千回と聞いてきました。
そのたびに、私は自分の「ど真ん中」にある想いに、何重もの蓋をしてきました。

本当は、伝えたかったけれど、できませんでした。

色は、単なる表面の飾りや、後回しにしてもいい「おまけ」ではなく
光が物質化した「色」という存在は、
私たちの心、体(體)、そして命そのものを育む、なくてはならないものなんだけれど・・・。

効率やコストが優先される世界で、静かに問い続けてきました。

  • 子どもたちの学びをサポートする色とは?
  • 毎日何時間も働く職場環境は、人を育てるための空間になっているのだろうか?
  • 疲れた心と體(からだ)を癒し、回復をサポートする家づくりになっているのだろうか?
  • 高齢者施設や病院は、本当に過ごす人の気持ちに寄り添っているのだろうか?

仕事として、この「色の大切さ」を分かち合える方に出会うことは、至難の業でした。
けれど、すべてが絶望だったわけではありません。

「子どもたちのために色を選びたい」と、パーテーションのカラーデザインを託してくださった○○さん。

展示商品の陳列を打ち合わせた際、
「この並べ方は綺麗にまとまりすぎている。もっと魅力的に愉しんで選んでもらえるにはどうしたらいいだろうか」と
共に試行錯誤しながら、色のもつ影響力を深く理解され、
一人でも多くのお客さまに開発された商品を届けようと真摯な志を燃やしておられた会長。

その方々が、折れそうだった私の心を繋ぎ止めてくれました。

そんな稀有な出会いに支えられながらも、私はどこかで
「私の想いを叶えることはできない」と自分に言い聞かせ、
自分の本心を無視し続けてきました。

でも、どうしても消せなかったものがあります。
それは、世界を「色」という基準で見てしまう自分の目でした。

道端の花、空の階調、古い建物のリズム。 どれほど心を閉ざそうとしても、
「世界は美しい。本来は、もっともっと美しく愛のある世界なんだ」という確信を、
消すことはできませんでした。

私のかなえたい夢。

それは、日本中、そして世界中を
生きることへの静かな安心感に包まれた「うっとりするような環境」に身を置くこと。
私にとっての「うっとりする環境」とは、ただ美しいだけの場所ではありません。

それは、「生きることへの静かな安心感」に包まれる場所。
誰かと比べることなく、ありのままの自分でいられる世界。

喜びを分かち合い、他人も自分も応援しあう「共創の世界」。
身近にいる人や自然を慈しみ、尊ぶ「思いやりのあふれる世界」。
人も世界も、愛の視点で成長を育みあう平和な世界。

色彩は、時に悲しみや苦しみを癒し、立ち直る勇気をそっと支えてくれる存在になります。
色彩を活かすことは、愛の視点で成長を育みあう世界を現実のものにする手助けになると信じています。

わたし一人ではできないけれど、みんなと一緒でなら、きっとできる。
壊してしまった地球を元に戻し、もっともっと輝く地球にすることは、
どんなに小さな力でも、無駄なことはないと信じています。

「自分なんて」「理解されない」 そんな、
自分で勝手に決めつけた理由で後回しにするのは、もうやめようと思います。

一人の小さな視点からでも、できることがある。
私が「色」を通して見るこの美しい世界の断片を、言葉にし、形にし、一歩ずつ手渡していく。

そんな「彩りに満ちた未来」に向かって、私はもう一度、直球で向き合ってみようと思います。
皆さんと一緒に、この美しい世界を享受できることを期待して。


実は先日、あるコンテストをきっかけに自分の想いを整理しました。
そこで改めて見えてきた心の内を、今回は言葉にしてみました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

※この記事は、
「色という視点で世界と出会う」以前に書かれた、
思考の過程の記録です。

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