用途|和雑貨店(業態変更リニューアル)
内容|環境カラーデザイン
範囲|空間再構成・色彩設計・既存什器再生・ロゴ制作
背景
何十年と続いてきた文房具店。
地域に親しまれてきたその店舗を、
和雑貨を中心とした業態へと転換するリニューアルプロジェクトでした。
これまでの店舗は、
1階奥と2階が居住スペースとなっており、
店舗を通って住居へ上がる動線構成。
仕事と暮らしが物理的にも心理的にも混在している状態でした。
今回の改修では、
業態の変更だけでなく、
「環境そのものを整える」ことがテーマとなりました。
空間構成|仕事と暮らしを分ける
店舗面積はやや小さくなるものの、
住居専用の玄関を新設。
これにより、
・店舗動線
・居住動線
を明確に分離しました。
動線が整うことで、
心理的な境界も整います。
お客様は店舗空間に集中でき、
ご家族は気兼ねなく住空間へ出入りできる。
仕事に専念できる環境が整ったことは、
オーナーにとっても大きな転機となりました。
また、これまで雑多に置かれていた自転車なども
居住スペース側へ整理され、
外観・機能性ともに向上しています。
既存と新規の調和
長年使用してきた造り付けの大きな棚は、
できる限り活かしたいというご希望がありました。
単に塗装し直すのではなく、
・既存家具
・新規導入家具
・内装材
それぞれの色と素材の関係を丁寧に調整。
新旧がちぐはぐにならないよう、
調和の軸を定めています。
「残す」こともデザインの一部。
時間を重ねた家具が、
空間の奥行きをつくっています。
色彩設計|にぎわいと静けさの両立
和雑貨を中心とした店舗へと転換するにあたり、
和の要素を内装材と家具選定で取り入れました。
ただし、和風に寄せすぎず、
気負わずに入れる空気感を意識。
ベースは複数のブラウンを重ねた構成。
・商品が多く並んでも雑然と見えないこと
・仕入れ状況により商品数が少なくても寂しく見えないこと
この両立を目指しました。
個人仕入れが中心であることを想定し、
空間側で“量の変動”を受け止められる設計としています。
落ち着いた空間でありながら、
わくわくするにぎわいを感じる。
色は、商品の背景でありながら、
空間の温度を決める要素でもあります。
光の設計
店舗は入口側にしか窓を設けられない構造。
そこで、
レール+スポットライトを多用し、
・商品を的確に照らす
・間接光として空間全体を柔らかく包む
両方の役割を持たせました。
夜間、スポットライトの光が外からも見えることで、
華やかさと営業中であることが自然に伝わります。
さらに、ロゴを配したオーニングも刷新。
店舗の目印となり、
街の風景の中で静かに存在感を放つファサードとなりました。
ブランドの統合
空間設計とあわせて、
・ロゴデザイン
・ショップカード制作
も担当。
視覚的印象が一貫するよう、
空間とグラフィックを統合しました。
空間だけが整っても、
ブランドが分断されていては意味がありません。
環境として、
ひとつの世界観を持つこと。
それが、記憶に残る店づくりにつながります。
生まれた変化
動線が分かれたことで、
・仕事に専念できるようになった
・家族が気兼ねなく出入りできるようになった
という声をいただきました。
お客様に対しても、
仕事以外のことに気を遣わずに済む。
環境が整うことで、
人の意識は自然と本来の役割へ向かいます。
このプロジェクトで整えたもの
業態変更でも、内装刷新でもなく、
整えたのは「環境そのもの」。
仕事と暮らしの境界。
新旧の調和。
にぎわいと静けさのバランス。
光と色の関係。
整えられた環境は、
人の暮らしを支え続けてくれます。










